比良栃生から小川新道への武奈ケ岳'12.7.8

朽木栃生-コメカイ道-地蔵峠分岐-ササ峠分岐-イクワタ峠-釣瓶岳-細川越-武奈ケ岳
-コヤマノ岳-中峠-シャクシコバノ頭-牛コバ分岐-大橋-南比良峠-深谷-JR比良駅

 この週末は大雨により車道が通行止となってしまい、ツアー中止で身を持て余していましたが、梅雨の天候ながらもどうにか山歩きができそうな空模様と分かって、久しぶりに朽木栃生からの取りつきによる比良を歩いてきました。

 こちらのコメカイ道も過去にいろいろなコースどりで何度も歩いていたのですが、近年はこの方面も長らくご無沙汰ばかりの比良歩きでした。
 もちろん道の様子はすっかり忘却の彼方です。したがってはじめてのような感覚で楽しみながら歩くことができました。

 スタート(9:00)からわずかな小雨があるなど、まわりは白く幽玄の世界風です。杉の植林帯から上は松林や落葉樹などしっとりとした山道にうれしい足取りが続きます。
 ヒジキ滝、地蔵峠から畑へ続くコメカイ道と別れて釣瓶岳方向へ、そしてササ峠分岐のしっかりした道標を見ながら、イクワタ峠から釣瓶岳を目指しますが、このイクワタ峠で今日初めて登山者に出会いました。
 この峠は北比良への縦走路でもあるため人影は当然です。先行で休んでいる方に挨拶していると武奈方面から来た方がすぐにまた挨拶でした。

 本来ならリトル比良や釈迦岳などの展望地であるササ原の道を汗しながら高度を稼ぎます。立派なブナやアズキナシなどが迎えてくれるようになると、さぁ、釣瓶岳ももうすぐだなと分かります。着いたその高み(10:50~55)もガスが取り巻きます。

大きなブナが続く 釣瓶岳 1098m

 霧の中の森も気持ちいいものです。でも蒸し暑いのはいけません。さぁ、北稜へ武奈を目指しましょう。釣瓶岳からやや下って細川越手前には花の終わったレンゲツツジや赤い実になったアカモノが見られ、シダ類のヒカゲノカズラやマンネンスギは元気に胞子葉を伸ばして青々と勢力を広げています。

レンゲツツジの葉が散らばっている アカモノの赤い実はガクが肥大したもの
ヒカゲノカズラの胞子葉

 コルの細川越(11:10)から登りにかかりますが、すぐにあれ〜、この葉はなんだ?と何度も通過しているのに、初めて気がついた見慣れない葉がありました。帰宅後調べるとコハクウンボクの独特の葉でした。

コハクウンボク(エゴノキ科) 右端は葉裏 葉先に大きな鋸歯が独特

 撮った葉は幼樹でしたが、樹高は4~10mくらいに成長し、花期は6月らしいので、来年には再訪して花の咲く木を探し出してみたいと考えています。

 さらにまだ咲いているコアジサイを見ながら武奈ケ岳に着く(11:30~12:00)と多くの人たちが昼食中で、私もすぐに食事としましょう。でもまったくの白い空間の中での半時間はいたたまれません。

 

 こんな日に気の毒な山ガールたちもどんどん到着ですが、こちらは山頂を辞しておおかたの人が向かう西南稜を右に見送り、コヤマノ岳から中峠へ降り、超久しぶりのシャクシコバノ頭へ向かいます。途中のコヤマノ岳一帯の霧にむせぶブナ林はさすがに素敵な森でした。

 中峠よりまた登り返しですが、そうきつい登りではありませんので頭にはすぐにここかと分かる小さなピークで、山火事注意の黄色の看板に手書きで「シャクシコバノ頭1121m」と書かれています。

 

 山頂(12:25)よりまたか細い急坂が続いています。人はいろいろでこんな日に激登りのこの道を二人が登ってくるのに道をあけます。
 そして931mをすぎると尾根から右への谷へ下がる地点に遭難碑のケルンの道標が現れ(13:00)、この後からが、このコースの一番の難路でした。ロープも2連あるところです。でも短いですからどうってことはありません。

 
931m地点のケルン

 下りながら悪路の写真も撮ったのですが薄暗くてピンボケばかり、この悪路箇所は本来なら枯れ沢ですが、今日ばかりは昨日の大雨によってまだまだ雨水が流れています。
 ザレた岩交じり、それに岩下りの危険な連続で、慎重に下っていくと待っているのは芦生杉の大木が林立している奥の深谷(13:10)で、今日は牛コバではなく左へ東方向の大橋へと向かいます。

 それにしても奥の深谷の雰囲気は素敵な一帯です。いつもより沢の流れが元気よすぎますが、新緑に身も染められるのではないのかと楽しみは増します。
 今は使われなくなった大橋の小屋も寂しそうですが沢に掛かる木橋も風情があり、揺れる橋をそっと渡ってここで一本(13:13~20)です。
 そして11月初旬にはきっと紅葉狩りにやってこようと思いながら、カエデやシロモジの木々を眺めて至福の時が流れます。

大橋一帯はいつまでも離れたくない素晴らしき沢と森

 さぁ、いつまでも居たいのですが、そろそろ腰を上げましょう。金糞峠への道を左に分け、直進して水晶小屋方面です。
 こちらもまたまたすばらしい森の連続にうっとりしながら、素敵な景色を目に焼きつけ、まだ使われているのだろうかなどと考えながら水晶小屋横(13:30)より谷筋の道を追い、縦走路から南比良峠(13:45~50)へ上がってきました。

 いよいよ最後の難路の深谷を下りましょう。東南方向にJR比良へ向けて進行しますが、すぐに崩壊による迂回路があってやや登り返し、その後は下り一辺倒でも岩多くて足元悪く、加えてその後には全部で100mはあろうかという長いロープが何本もある急下り道に参ってしまいます。

 

 

 しかし、このロープ場が済めば丸山谷の堰堤と崩壊の進んだ○○大学深谷小屋(14:20)です。この廃屋を見る度にいつも悲しくなってしまいます。なんとかならないのでしょうか・・・
 心を入れ替えるため、空を見上げると樹間には青空が広がっているではないですか。朝から小雨交じりで歩き始め、山ではずっと真っ白な世界ばかりだったのに、今頃になってすっきりと晴れ上がっています。いや〜山歩きはこれが普通なんだ・・と諦め気分です。

 この後は堰堤に沿って右岸左岸を石飛しながら何度か渡渉して降りていきます。かいた汗をとうとうとの流れですっきりします。
 沢山の堰堤を横目に疲れた心身も呆然としつつ歩くと舗装路(15:00)に出て、もうこれで山歩きも終えたも同然ですが、そこからが暑くて長い道のりでした。

 今日はお花こそほとんどなくその点では物足りなさは隠せませんでしたが、比良山塊の久しぶりのコースを無事予定どおり完歩できたことがうれしく、JR比良駅(15:35)ではフゥ〜でしたが充実の一日だったのです。。。

 さぁ、来週からはいよいよアルプスの夏山の連続が待っています。お客様に何事もなくお楽しみいただけるような慎重さでもって案内し終え、9月からの秋山が迎えられるといいなと思っています〜〜♪♪

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