余呉 '12.7.4
ケヤキ大木-林道登山口-ケヤキ広場-天狗ノ森-余呉頂上-横山岳-望横ベンチ-鳥越峠-墓谷山分岐-小市谷-林道-菅並 |
湖北中央分水嶺周辺の花の横山岳ですが、5月のハイシーズンは人気の山として知られています。そんな横山岳へ近年余呉トレイルクラブが道を整備し、登る人も増え踏み跡もできだした西尾根ルートから登って、昔からの尾根道である三高尾根を下り、鳥越峠先から小市谷を巡る余呉ルートを周回してきました。
今回は梅雨の真っ只中でしたが、運良く雨はなかったことから、連続する相当の急坂道をどうにかこなしながら長時間歩きとなりました。人気の山とはいえ時期的に歩く人の少ない静かな山歩きが楽しめたのでした。
まずは滋賀県の自然天然記念物にも指定されている菅並の樹齢約700年のケヤキの古木地(10:20)から取りつきます。この大木を見上げるみんなも今日のコースはどんなんかな?と心躍る瞬間でもあります。
近道を利用、すぐに急登になるも15分で林道に上がります。この林道を右へ5分もしないでロープで縛った階段のある林道登山口到着です。
さぁ、これからが急坂です。それに大きな倒木がしっかり通せんぼしています。くぐったり跨いだりしながら15分で373m4等三角点地に上がってきました。
もちろんここで一本です。今日は雨がないために猛烈なむしむし暑さが私たちを攻め立てます。もうすでにびっしょり汗・汗です。熱中症要注意日です・・・
むせ返るように緑深くなった尾根道をどんどん進み、ヤブレガサ、モミジガサなどが蕾をつけ、まもなくこれらのお花たちも満開となりそうです。三角点地から半時間で大木のケヤキ広場、空気がおいしい木陰の広場で憩いましょう。
ケヤキ広場の木陰の下で一本たてよう |
すぐに昼食予定の展望のきくあたりですが、この時期夏草が思いのほか生い茂っているために食事もパスでさらに先へ、そしてややフラット地に上がるとあたかも椅子の姿をしたコナラのユニーク地到着で、よしここでお昼としよう。
展望地からの七々頭ケ岳に新谷山 | ユニークなコナラの大木 |
しっかり余呉トレイル弁当を完食してみんな元気もりもりです。葉が車輪上につくクルマバハグマも蕾をつけだしたようです。カエデ、コナラなどの林床にはキヌタソウは蕾、イチヤクソウ、シライトソウなどは咲いて見せてくれます。
キヌタソウ(アカネ科)蕾 |
イチヤクソウ(イチヤクソウ科)満開 | シライトソウ(ユリ科)終盤 |
まもなく本コースの一番の難所石灰岩露頭地、ここも慎重に岩角を確認しながら三点支持で登りあげます。すぐに天狗の森、でもこの時期夏草茂って、スノーシュー時期とは大違いの様相で見晴らしはききません。
さらに急坂をなんとかこなして、いよいよ余呉頂上のポール立つ西峰山頂です。ここまで歩き始めた大ケヤキ地からゆっくりのんびり歩いて4時間でした。
すぐに横山岳へ向けて東方向へ進みます。しかしながらこの時期の稜線は藪状態で展望も無理のために、やっぱりこの地の稜線漫歩はスノーシュー時期に限ります。
よく見れば立派なブナ林が林立しているのですが、藪の中の状態で気づく人は少なそう、稜線歩きも10分で横山岳の2等三角点にタッチしてご挨拶、フゥ〜・・、いつもこの山頂は人だかりなのですが、今日はまったく人影なく、最初から最後まで猫の子一匹出会いませんでした。笑
南側の琵琶湖に浮かぶ竹生島などを見て15分ほど山頂の憩い(14:20~35)、いよいよ急坂続く三高尾根をくだります。すぐに展望台で、またまた南の墓谷山などに琵琶湖を眺めて、急坂突入、ロープが数え切れなく張り巡らされています。
滑る足元を気にしつつ、それでもハンショウヅル、ヤマトウバナ、ウリノキ、オカトラノオなどのお花も楽しみます。
ハンショウヅル(キンポウゲ科)終盤 | ウリノキ(ウリノキ科)終盤 |
山頂から45分ほどくだると横山岳や東峰の稜線が見える望横ベンチのある展望台で休憩します。一気にあそこからくだったのかと横山岳の頭を見上げていると、五銚子ノ滝音でしょうか、結構大きく流れ落ちる音が近くに聞こえます。
なかにはこのあたりで足に変調をきたしたような人もあってこの先がやや心配です。でも鳥越峠への急坂へ下らなくてはなりません。さらに速度を落として慎重にフィックスを頼りに高度を下げます。
そんな中にキクバドコロがちらほら、また小さな白花を必ず2対咲かせるツルアリドオシが群れ咲いているのも見られました。私はいかに道が険しくとも周りの植物たちも見渡しながら歩くこととしています。
キクバドコロ(ヤマノイモ科)各裂片がよくとがる。花は終盤 |
《よく似たカエデドコロとの主たる相違点》
ヤマノイモ科は多数あるが、特にキクバドコロとカエデドコロは見分けが容易でないが、その区分点は葉柄基部に小突起があり、頂裂片だけがとがるのがカエデドコロである。キクバドコロは小突起はなく、各裂片全てがとがる。
さて、望横ベンチから急坂を30分でおり立った所が鳥越峠です。コエチ谷分岐を左に見て峠から10分足らず緩やかに登りかえし、墓谷山分岐から右へのか細い巻き道がガラっと藪状態となりました。この部分以降はまだまだ踏み跡からみて人の入りはほとんどなさそうです。
それでも忘れかけたころに赤テープが出てきますが右側は滑落要注意道です。夏草の道の足元を注意しながら進みましょう。
そんな中に久方の出会い、ミヤマハハソの若い果実が随所で見せてくれました。波状の鋸歯のある葉がコナラ(別名ハハソ)に似ていることが名前の由来となっています。
ミヤマハハソ(アワブキ科)秋に実は黒熟する |
いっぱいのミヤマハハソを見ながら杉の植林尾根のくだりに入り、しばらくで廃屋の残骸跡からすぐ谷の沢にはとうとうと元気な流れを見せる沢水、水分の足りなくなったメンバーとともに喉を潤します。腕を覗くとここまで墓谷山分岐から1時間もかかっています。
ヘッドランプを使うまでに林道まで出ようと棚田跡の杉林のなかに道は続き、さぁ先を急ごうとすれどもくたびれた人もあって時間がかかるのもやむをえません。
でも心配していた小市谷の川の増水はほとんどなく、浅瀬を選びながら渡渉を6回やって、まだ完全には仕上がっていない林道へ暗くなるまでに出ることができました。
しばらくで登山口のある林道横山岳線へ上がる手前の橋を渡って左にとり、菅並東バス停よりわずかに南の車道に出て回送のバス乗車(18:20)となったのでした。おり立った沢から1時間もかかっていました。
本日は西尾根の急坂の激登りに加えて三高尾根の激下りで、相当の体力勝負の山歩きとなりました。横山岳は春は関西でも三本の指に入るであろう花の名山なのですが、花時でないシーズンはこれまた関西では三本の指に入るであろう厳しい険路の山であることに違いないでしょう。
結局今回はやや足が揃わないようでしたから、慎重に歩を進めたために8時間も要してしまいましたが、なんとか何事もなかったのがせめてもの救いでした。みなさま・お・疲・れ・様・でした。
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